秋ー。
枯れ葉の落ちる季節。
あなたと別れてから何度目の季節を迎えるのだろう。
この時期になるとなぜか切ないー。

枯葉色の宝物

あれから3年。私は大学受験を控えた高校3年生。
就職するひともいるが父の編集者という仕事を手伝えたらいいなっと思い大学を選んだ。
…だけど寝る間を惜しんでの勉強はきついものがあるもので…。
「う〜ん。ちょっと外に出てみようかな」

そう思いパパとママに言って外へと出た。
二人とも「息抜きに良いかもね!」と微笑んでいた。
とても理解のある両親。あのことがあってからは私のことをさりげなく気遣ってくれてるのがわかる。

家を出てやってきたのは学校の並木道。いつも通ってるところだから休日は誰もきていない場所だ。だけど私はこの場所が大好き。静かで落ち着いていられるから。
並木道の真ん中にある椅子に座って散り舞う枯れ葉たちをみていた。

「わぁ〜」

私はその様子がとてもキレイだと思った。

受験の大変さを忘れてしまいそうな風景ー。
でも…。

「婁宿今ごろどうしているかしら…」

今は遠い世界にいる彼を思うと胸をしめつけた。

私の四神天地書との出会いは今から3年前の季節もちょうど今ぐらいだったと思う。
小さい頃からすごく慕っていた多喜子お姉ちゃんがお亡くなりになったと知らせを受けた。
多喜子お姉ちゃんとはパパが大学時代からの親友で作家の奥田永之介さんの一人娘。
その知らせは残念なことに多喜子お姉ちゃんのお父様のご不幸の知らせでもあった。
まだ幼かった私はただ悲しくて泣くことしかできなかったけど・・。

ある日、パパの部屋に入ったときあの本ー四神天地書が置かれてあった。
もともと本を読むのが好きな私はあまり見たことのないその本に興味を持った。
「すごいわ。こんな本見たことない。どんなお話なのかな?読んでみようかな・・?」
そう思い、本に手をかけたとき、パパがやってきた。パパは驚愕していた。

「鈴乃!!その本だけは・・・っ!」
「パパ?どうしたの?そんな顔して」
「その本を放しなさい!!」
「えっ!?面白そうよ!」
パパの話を無視して笑いながらページをめくってく。
「多喜ちゃんの様になりたいのか!!」
「多喜子お姉・・・」

その瞬間に私は白い光に包まれていた。
白虎の巫女になって玄武の巫女が多喜子お姉ちゃんだったこと、なぜ多喜子お姉ちゃんとお父様が亡くなれたことも分かった。

でも、その代わりに…。

私は初めて人を愛することを知った。
「巫女と七星士は結ばれない」と知っていても私と婁宿は諦めなかった。
後悔したくなかったから。私たちは愛し合った。
・・けど、別れの日なんて出逢った日から決まっていたのに『離れたくない』という想いが込み上げてきた。

初めて愛する人を失う切なさを覚えた。

「鈴乃ちゃんの恋は誇らしいとママ思うわよ」
帰ってきてから自己嫌悪で部屋に閉じこまってた私にママはこう言った。
私はほんの少しだけこの恋を後悔してしまったから、この結末を知ってたのなら恋しなかったほうがよかったんじゃないかって。
だからママの言葉は胸に響いた。その言葉で婁宿との温かい思い出や婁宿がくれた優しさが思い出せたんだものー。



「さぁて、そろそろ帰ろう・・・」


私は並木道を通り家路に着いた。


思わず切なくなってしまう季節。
あの場所に行くと婁宿と出逢った日から全てを思いだしてしまう。
だけど、、この季節が好き

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この季節、なんかその後話書くの好きです♪
鈴乃ちゃんは文学少女ってイメージ強いよねvvベンチに座って本を読んで。。そういうイメージから書きました。
多喜ちゃんがでてきたけど・・ごめんなさい。鈴乃ちゃん寄りなんで。
ひさしぶりに書いたー!と感じたのは気のせいでしょうか?

お読みいただきありがとうございました!


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