ケンカ


「なによ!バカー!!」
「バカとは何だ?違うと言ってるじゃないかっ!」

西廊国宮殿内には、こんな言い争いが行われていた。
そこには言い争い=奎宿と昴宿と言っても過言ではないが、鈴乃と婁宿の姿があった。

「どうしたっていうんだい!?」
「部屋まで丸聞こえたぜ」

昴宿と奎宿が部屋から駆けつけた。鈴乃が怒鳴るなんてよっぽどのことがあったんじゃ・・・と二人は心配するが、当のご本人達は…。

「婁宿がそんな人だったとは思わなかったわ!だいだい誠実味がないのよ!!」
「なんだよそれ!鈴乃がそんなにわからずやだとは思わなかったよ!!」
「本当のこと言ってるまでじゃない!!」
言い争いはヒートアップ。奎宿と昴宿は目を丸くした。
でもこの場を止めなければ…と昴宿が二人の中に入る。

「ストーップストーップ!!二人ともホントにどうしたっていうんだい!?もうやめなさい。鈴乃ちゃんも大声出して皆聞いてるよ?」
昴宿の声に黙り込む鈴乃。
「だって・・・。」
「だって、なんだい?」
昴宿は今にも泣きそうな鈴乃を優しく見つめる。これは絶対婁宿がなんかしたんだなと思った時だった。
「だって!婁宿が女の人ナンパしてたんだもん!!」
またも大声で言うと今度は泣き出した。
婁宿がナンパ・・・?
奎宿と昴宿がビックリして婁宿を見ると婁宿は「違う違う誤解だよ」と手をブンブン振っていた。


いきさつはこうらしい。
七星士探しに街に出ていた時の事。鈴乃は婁宿がいないと心配になって今来た道を必死で走った。
そして婁宿を見つけた鈴乃は安心して婁宿に駆け寄ろうとしたその時鈴乃は見てしまった。
婁宿の傍には綺麗な女性・・・。きっと婁宿と同じ年か婁宿より年上。うまく言えないけどお似合い。
その光景にしばし鈴乃は立ち止まってしまった。
しかし、それだけで怒る鈴乃ではないー。
ある日の夜婁宿が「ちょっとでかけてくる!」と言った言葉に反応して婁宿のあとをつけた。
婁宿が向かったのはあの街の中。彼女が働いている店で二人は会っていた。鈴乃は徐々に切なさを覚えた。
なんでこんな夜遅くにあの女性とあってるの?
一目惚れでもしたの?言ってくれて良いんだよ?

鈴乃が泣きそうになったその時
「あっ・・・」
女性がよろけそうになった。
もちろん・・・婁宿がそれを受け止めたのだ。

だが・・・。


「受け止めるよりは抱きしめてた!手もイヤラシかったし!!」
「なっ!何言ってんだよ!鈴乃!!」
完全怒りモードの鈴乃とそれにタジタジの婁宿。
「こ〜んなカワイイ彼女がいるのに浮気かい?婁宿くん。やるもんだね。さっすが男・・」
バシッ・・・
からかいながら軽々しく言う奎宿を昴宿はいつものように突っ込む。
でも口は冷静な昴宿
「たしかにね、このバカはいつものことだけど婁宿がって。なんか理由あるんじゃないの?」
「移ったんじゃないかしら。奎宿の浮気癖ー。一回目の時奎宿ナンパしてたのみたもん・・。」
全員絶句ー。
「おいおい、鈴乃ちゃ・・・」
奎宿は鈴乃に何かを求めた。もちろん鈴乃には奎宿の相手してる余裕はなく。
「と〜か〜き〜〜!!!」
「ああ〜!ごめんなさい!!助けて〜!」
昴宿は容赦なく奎宿を襲う。奎宿は必死で逃げる。
二人のいつもの追いかけっこが始まった。


鈴乃と婁宿は再び二人きりになった…ー。
「あんなに綺麗な人じゃ婁宿だっていくよね男だもん」
「だから違うって言ってるじゃないか!?」
「もういいわよ…。婁宿が浮気しようが私には関係ないもの・・」
婁宿に背を向け歩き出す鈴乃ー。怒鳴り疲れたのか声に威力はなかった。


チャリ・・・

歩く鈴乃の横から何か音がした。
よく見てみると足元に首飾りがあった。今さっき後ろから飛んできたのだ。
もしかして・・・。

「た、婁宿…?」
ゆっくり振り返って婁宿を見る鈴乃。婁宿は顔が真っ赤だった。
「この前、旅先で友人と再会してね。彼女は女の子が好むようなアクセサリーのお店を開いていたんだ。だから鈴乃にって・・・」
「じゃあ、何で夜まで会ってたの?」
「それは・・・・見られたら恥ずかしいから…」

・・・・・・・・・・・

「やっぱりそういうことじゃない!!」
「違う違う。ちょっときて」
まだ気が動転してる鈴乃を手招きする婁宿。
そして、婁宿はずっと大切に持っていたもうひとつのプレゼントを鈴乃の右手の薬指にはめた。
「あっ・・」
鈴乃はみるみる頬を染めた。婁宿はもう真っ赤だ。
「渡す相手間違えてない・・よね?」
「当たり前じゃないか」

婁宿は優しく笑うと鈴乃を抱きしめた。


「ごめんね・・・疑ったりして。大好きよ…」



□おまけ□
「だはは〜ごめんなさい〜もうしません!」
「本当かい?じゃあねあたしも鈴乃みたいなプレゼント欲しいなv」
「あ・・・・はい。100年後には」
「今すぐ!」
「ひぇ〜っ!!」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
なぜか書きたくなったケンカネタ。忘れないうちに書いちゃおうと思って。
ケンカするときもあるよね。
なぜか思いついてしまった(^_^;)
最近白虎更新疎かなんで2カップル登場させました!ほんと申し訳ないですm(__)m


→BACK

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送