私は夜、ひとりで外に出てみた。
今夜は風がさわやかで、木々がざぁざぁ…と揺れていて気持ちいい。
星の輝く夜だったーー。


七つの星が舞う夜


「鈴乃?ここにいたの?」
しばらく気持ちいい風にあたっていたら、婁宿が足早にやってきた。
「うん…。なんか離れられなくなっちゃって。ほら、星もきれい!」
私がまるで子どものように星を指さすと、婁宿は「本当だね。」と優しく微笑んでくれた。

いつもその笑顔にドキドキさせられてるの分かってる?

気付かれても恥ずかしい気がするけど。


そんな想いを抱きながら、私は婁宿に問いかけた。

「ねぇ婁宿?」
「…ん?」
「あの星の中に婁宿や昴宿や奎宿やみんながいるのよね?ってことは私の世界でも空を見ればみんなと会えたんだよね!!」
「あ、あぁそう考えてみれば」


考えてみたらこれってすごいわ!!私がみんなに会えたのは本当に『運命』って感じちゃう。

「じゃぁさ、離れ離れになっても寂しくないよね…。」

「鈴乃・・・?」

ざぁぁぁっっ・・・

先程のさわやかな風が冷たい風に変わった。
同時に涙が溢れ出た。

「あれ?なんでだろ?おかしいな…」
「鈴乃…。」
「もう少しで白虎召喚してこの国は平和になって嬉しいのに、なんでこんな・・・」


七星士が集まってく度に不安になっていた。
心のどこかで「集まってほしくない」と思ったこともあった。(こんなこと巫女が思ってはいけないことだけれど)
白虎召喚したら私は元の世界に戻り、婁宿と永遠に会えなくなる。
普通の恋人同士だったらこんな切ない想いしなくて済むのに…。
どんなに頑張って笑顔を作っても今日ばかりは無理だったな…。


婁宿と出逢って好きになってそして愛し合ったことー。
私は何も後悔していなかった。むしろ、婁宿に異世界を通して巡り合えたんだもの。神様に感謝しきれないくらい感謝しているわ。
でも、離れ離れになる日が近づいていくと同時に「離れたくない」という気持ちも大きくなっていた。
こんなこと我侭だって分かってる。
どんなに思っても別れはやってくる。


私がセーラー服の袖で涙をぬぐっていると婁宿は突然私を後ろから抱きしめた。
「た、婁宿…?」
婁宿は何も言わなかった。次第に胸の高鳴りが大きくなっていくのがわかる。
「婁宿は…平気なの?もう少しで離れ離れになっちゃう。二度と逢えなくなっちゃう…。不安に怯えてるのは私だけなの…っ!?」
たまらなくなって涙を流した。心の中でこんな自分は惨めだと恥じながら。

「離れ離れじゃないよ・・・」
今まで何も言わなかった婁宿が口を開いた。
「僕だって鈴乃と同じくらい切ない気持ちだよ。でもっと鈴乃が言ったようにあの星空を見れば鈴乃を感じられる気がするんだ。」
私は婁宿のほうを振り向いた。婁宿は私の涙を優しくぬぐってくれた。
「これからも心は一番近くにいるよ。だから…」
「婁宿…」

私たちはこれ以上何も言わずに抱き合った。
強い風はすでに止んでいて穏やかな空気が私たちを包んでいた。
私は心の中で離れ離れになっても二人の恋が変わらぬようにと強く願った。


空には多くの星が瞬く中で、七つの星が光輝いていた。


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久しぶりの小説〜☆う〜んやっぱり劣ってる(涙
ふし遊=星ということで書いてみたんだけど私が書くとずれるしむりやりなんだよね^^;
上手な方が羨ましいです。
設定は離れ離れになる2〜3日前です。
切なさが伝わると嬉しいです。


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